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冬のグランピングは寒いのか|暖かさを説明しているのは、どちらの宿か

· 泊まり火編集部

冬にグランピングへ行こう、と言われたときに最初に浮かぶのは、たぶん同じことだ。

寒くないのか。

テントで寝るのか。朝、凍えて目が覚めるのではないか。夜中にトイレに行きたくなったらどうするのか。

夜のグランピングテントと灯り
Photo: Cindy Chen / CC0 (Wikimedia Commons)

暖房のことを書いているのは、グランピングだけだった

掲載している654軒を数えてみて、いちばんはっきり出たのがここだった。

暖房や冷暖房に触れている宿は、グランピング333軒のうち77軒(23%)。いっぽうヴィラは321軒のうち8軒(2%)しかない。10倍近い差がある。

断熱になるともっと極端で、触れているのは19軒。そのうち18軒がグランピングだった。残る1軒のヴィラも、建物ではなくサウナ室の断熱工事の話だ。つまり建物の断熱を説明しているのは、グランピングだけということになる。

ヴィラ321軒 グランピング333軒
暖房・冷暖房 8軒(2%) 77軒(23%)
エアコン 11軒(3%) 65軒(19%)
断熱 1軒(0%) 18軒(5%)

これはヴィラが寒いという意味ではない。逆だ。家に暖房があることは、誰も証明しなくていい。テントは証明しないといけない。

説明が多いほうが不安、ということではなく、説明が必要なのはどちらかという話になっている。

書き方は、ほとんど同じ

グランピング側の文面を並べると、驚くほど似ている。

広島の湖畔ステイズ庄原はこう書く。

断熱性の高い二重張り構造で全室冷暖房を完備し、オールシーズン快適に過ごせます

石川のOceans Terrace SHIBAGAKIも、大分のGRANXIA別府鉄輪も、ほぼ同じ言い回しを使っている。「断熱性の高い二重張り構造」「全棟冷暖房完備」。

二重張りというのは、テントの生地を二枚重ねて空気の層をつくる作りのことだ。これがドームテントの標準仕様になりつつある、というのが18軒の文面から読み取れる。同じ大分の由布院温泉グランピング 風の響きのように、断熱と一緒に防音にも触れる宿もある。

同じ言葉が並ぶのは、同じ質問を受け続けているからだろう。寒くないのか、と。

薪ストーブだけが、逆になる

暖房の話でひとつだけ例外がある。

薪ストーブに触れているのは、ヴィラ24軒(7%)にグランピング20軒(6%)。ここだけ、ほぼ同率になる。暖房や断熱が10倍以上ひらいたのとは対照的だ。

理由は考えてみれば単純で、暖房は守りの説明で、薪ストーブは攻めの説明だからだ。前者は「寒くありません」と言うために書き、後者は「これが楽しいですよ」と言うために書く。だからヴィラも書く。

長野のFountainhead Hakubaは暖炉について、白馬の厳冬期も暖かく過ごせると書いたうえで、三面ガラスでどこからでも火が見えると続けている。暖かさの説明から、すぐ火を眺める話になる。

同じ熱源でも、書かれる目的が違う。

冬季の注意書きは、寒さの話ではなかった

冬季や冬期という言葉に触れている宿は31軒ある。中身を読むと、寒さの説明はほとんど出てこない。書かれているのは、冬に使えなくなるものだった。

寒さは暖房で解決するが、屋外設備はそうはいかない。プールやBBQやサウナの水風呂を目当てにしているなら、冬の可否は暖房より先に確かめたほうがいい。

雪の積もった林道
Photo: Pudelek / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

本当に寒いのは、部屋の中ではない

ここまで客室の話をしてきたが、冬のグランピングでいちばん寒いのは、たぶん客室ではない。

グランピングの客室1,001タイプのうち、専用トイレに触れているのは102タイプ(10%)、専用シャワーは81タイプ(8%)だった。残りは共用棟を使うか、そもそも書かれていない。

つまり多くの場合、夜中にトイレへ行くには一度外に出ることになる。室内が何度に保たれていても、その数十メートルは外気のままだ。設備は施設ではなく部屋に付くで見たとおり、同じ施設でも専用シャワーのある棟と共用棟まで歩く棟が並んでいることがある。

冬に効くのは、暖房の有無よりもここかもしれない。予約ページで客室タイプを選ぶとき、トイレが棟内にあるかどうかを見ておくと、夜の過ごし方が変わる。

予約の前に、三つだけ

  1. 客室に暖房があるか: 書いていない宿も多い。ドームなら二重張りかどうかもあわせて
  2. トイレとシャワーが棟内にあるか: 共用なら、外に出る動線がどれくらいか
  3. 冬に使えなくなる設備はあるか: プール、BBQ、水風呂。目当てのものが止まっていないか

道路とタイヤの条件は宿より先に冬になるので、そちらは冬に泊まれるか、から確かめるにまとめてある。

寒いから、いい夜になる

ここまで寒さの話をしてきたけれど、冬に行く理由のほうは最初から分かっている。

空気が澄んで星が近くなる。焚き火の火が夏よりずっとありがたく感じる。湯から上がったあとの数分が、夏とはまったく違うものになる。寒いことそのものが、冬に行く理由でもある。

避けたいのは、寒さそのものではなく、予想していなかった寒さのほうだ。暖房が効いた棟で、外に出る回数を自分で決められるなら、冬はいい季節になる。

冬こそグランピングに、雪の宿をいくつか挙げている。条件から探すなら宿を探すからどうぞ。

よくある質問

冬のグランピングは寒くないですか?
客室そのものは、冷暖房を備えているところが多いです。掲載しているグランピング333軒のうち77軒(23%)が暖房や冷暖房に触れており、18軒は断熱にまで触れています。ドームテントは二重張り構造が標準になりつつあります。ただし書いていない宿も多いので、予約前の確認は必要です。
ヴィラとグランピングでは、どちらが暖かいですか?
掲載情報からは比べられません。暖房に触れているのはヴィラ321軒のうち8軒(2%)だけで、グランピングの23%とは10倍近い差があります。これはヴィラが寒いという意味ではなく、家に暖房があることは書く必要がないからだと読むのが自然です。
冬に本当に寒いのはどこですか?
客室と共用棟のあいだです。グランピングの客室1,001タイプのうち、専用トイレに触れているのは102タイプ(10%)、専用シャワーは81タイプ(8%)しかありません。夜中にトイレへ行くとき屋外に出る構造なら、室内がどれだけ暖かくても寒い時間は発生します。
冬季に使えなくなる設備はありますか?
あります。冬季や冬期に触れている31軒の多くは、寒さの説明ではなく使えなくなる設備の話でした。積雪期にBBQが使えない、プールが冷水になる、薪ストーブが有料になるといった記述です。プールやBBQ目当てなら、冬の可否を先に確かめてください。
予約前に何を聞けばよいですか?
客室に暖房があるか、トイレとシャワーが棟内にあるか、冬季に使えなくなる設備はあるか。この3つで冬の過ごし方はだいたい決まります。あわせて道路状況とスタッドレスの要否も聞いておくと安心です。

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