作らない夜|食事付きで選ぶ一棟貸し
一棟貸しを勧めると、けっこうな確率でこう返ってくる。「でも、ごはん作らないといけないんでしょう」。買い出しをして、焼いて、洗って、片づける。旅先でそれをやるのが楽しいときもあれば、それだけは避けたいときもある。
答えは単純で、作らなくていい宿がある。泊まり火の掲載672軒を横断して数えると、素泊まりプランに触れているのが161軒、1泊2食付きが82軒、オールインクルーシブが24軒だった。多くの施設は両方を用意していて、予約の画面でどちらかを選ぶことになる。つまり「一棟貸し=自炊」は、思い込みのほうだ。
準備も片付けもしない: 里楽巣 FUJINO

神奈川県相模原市、日比谷花壇が手がける藤野の里山のグランピング。「都心から最も近い里山」とされる立地で、客室は直径6m・28㎡のドーム型テント。ラグを敷いた洋室タイプと、グランピングでは珍しい畳敷きの和室タイプがあり、いずれも掘りごたつを備え、谷に向かって100㎡以上の専用デッキが広がる。
食事は地元・藤野の旬の食材を使ったシェフ監修の料理を、準備や片付けの手間なくフルサービスで提供する。料金の目安は21,000円〜/人。中央道・相模湖ICから車で約10分、JR藤野駅からタクシーで約8分。
火の番も皿洗いもないと、夜の時間の使い方が変わる。焚き火の前に座ったまま立たなくていい、というのは思っているより効く。
飲み物まで込みで: AFUMI KITAKOMATSU

滋賀県大津市北小松、比良山系の麓に2022年開業したレイクサイドのグランピング。「琵琶湖まで10歩」という近さで、約8,500平米の敷地にレイクビュードーム、壺湯型の露天風呂付きドーム、ドッグラン付きドーム、スイートヴィラの4タイプ12棟が並ぶ。
宿泊は夕食・朝食・飲み物込みのオールインクルーシブ。敷地中央のFREE BARでは15時から22時までアルコールとソフトドリンクが飲み放題で、ソフトドリンクは翌朝も出る。夕食は高島名物のとんちゃんなど滋賀県産食材のBBQで、近江牛へのグレードアップも選べる。朝食はホットサンドのセットで、晴れた日は湖畔の砂浜で食べられる。
島ごと、全部込み: An Eland エランド

和歌山県白浜町、田辺湾に浮かぶ無人島をまるごと使った1日9組限定のドームグランピング。車でそのまま渡れる島に9棟が点在し、森を背にしたタイプから、島の先端に立つ1棟限定の「Peninsula Top」まで4タイプ。いずれも定員4名で、専用のバスルームとBBQスペースを備える。
滞在はオールインクルーシブで、熊野牛や地の海鮮を炭火で焼くBBQのほか、岩壁をライトアップしたナイトバーのドリンク、約60℃のバレルサウナと約80℃のテントサウナ、宿泊者専用のプライベートビーチ、海を望む焚き火までが料金に含まれる。JR白浜駅・南紀白浜空港から無料送迎(3日前までに要予約)。
3通りから選ぶ: 源泉かけ流し温泉グランピング 赤沢温泉

栃木県那須塩原市、塩原温泉郷の中心地近く、箒川沿いの赤沢温泉旅館の敷地内にある1日2組限定のグランピング。直径6mのドームテントは川に面した棟と山側の棟の2つで、各テントに全天候型の食事スペース、個別のシャワー・トイレ、ファイヤーピットが付く。
宿泊者は敷地内の旅館で、無加水・無循環の源泉かけ流し温泉(ナトリウム・カルシウム塩化物泉)に入れる。食事は、焼くだけで味わえるグランピングBBQ、旅館で和洋折衷の創作料理をいただくグルメグランピング、食材持ち込みの素泊まりの3通り。2食付きプランの朝食は旅館の和朝食になる。料金の目安は12,342円〜/人。
同じ宿で「作る夜」と「作らない夜」を選べるのは、いちばん現実的な形かもしれない。人数や体力に合わせて、行きと帰りで変えてもいい。
地元出身のシェフが焼く: アルプスBASE
公式サイトよりグランピング長野県 · 飯島アルプスBASE最大4名 · 42,000円〜 / 泊施設ページを見る →
長野県飯島町、標高850mの森のなかにドーム型テント4棟だけのグランピング。中央アルプスと南アルプスの両方を望み、テントは冷暖房完備で通年過ごせる。プライベートテントサウナ付きのデラックスタイプもあり、サウナには飯島町特産「クロモジ」のフレーバーオイルを使う。
食事は地元・飯島町出身のシェフが手がける2種類のグランピングBBQ。ジビエのソーセージやニジマスの塩焼きが並ぶスタンダードと、信州プレミアム牛のプレミアムから選べ、朝食には地元パン屋のカンパーニュが出る。夕食・朝食とも、城ヶ池を望む屋根付きの全天候型プライベートダイニングで。料金の目安は42,000円〜/泊。
素泊まりと2食付きの間で
ブルードーム京都天橋立は、食材を持ち込める素泊まりプランと、夕食のグランピングBBQ・朝食のローストビーフバーガーが付く1泊2食付プランの2種類を用意している。この「2択」がいまの標準に近い。
決め方はシンプルでいい。買い出しそのものを旅の一部として楽しめる面子なら素泊まり、着いた瞬間から座っていたいなら2食付き。悩ましいのはその中間で、そういうときは朝食だけ付けると、翌朝の立ち上がりがずいぶん楽になる。
よくある質問
- 一棟貸しやグランピングは自炊が必要ですか?
- 必要な宿と、不要な宿があります。泊まり火の掲載672軒を横断して数えると、素泊まりプランに触れているのが161軒、1泊2食付きが82軒、オールインクルーシブが24軒でした。同じ施設が素泊まりと2食付きの両方を用意していることも多く、予約時にどちらかを選ぶ形になります。
- オールインクルーシブの宿は何が含まれますか?
- 宿によります。AFUMI KITAKOMATSUは夕食・朝食・飲み物込みで、FREE BARが15時から22時まで飲み放題。An Elandは熊野牛のBBQに加えてナイトバーのドリンク、2種のサウナ、プライベートビーチまで料金に含まれます。含まれる範囲は必ず公式サイトで確認してください。
- 宿にシェフが来てくれる一棟貸しはありますか?
- あります。里楽巣FUJINOは地元食材のシェフ監修の料理を準備も片付けもなしのフルサービスで提供し、アルプスBASEは地元・飯島町出身のシェフが手がけるBBQを用意しています。プライベートシェフの手配に対応する一棟貸しもあります。