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サウナは395軒、水風呂は102軒|「サウナ付き」が言っていないこと

· 泊まり火編集部

鹿児島のSAKURA YAKUSHIMAは、サウナをこう説明している。

サウナはセルフロウリュができるオーシャンビューのバレルサウナで、電気式です。

沖縄のグランディオーソ沖縄プールヴィラ恩納7は、こうだ。

A棟にはサウナが付きます。

どちらも掲載データの上では「サウナあり」の1軒として数えられる。

サウナストーンにかけられる水
Photo: Omegaosiris / CC0 (Wikimedia Commons)

4つそろって書いてある宿は、7軒

泊まり火のサウナ付きヴィラの選び方では、予約の前に見るべき点として型式・ロウリュ・水風呂・外気浴の4つを挙げた。では、その4つは実際どれくらい書かれているのか。

掲載654軒のうちサウナのある宿は395軒(ヴィラ197軒、グランピング198軒)。その395軒の本文を数えると、こうなった。

確認したいこと 触れている宿 割合
型式(バレル・テント・室内など) 167軒 42%
水風呂 102軒 26%
ロウリュ 61軒 15%
外気浴・ととのい 64軒 16%
熱源(薪か電気か) 33軒 8%

4つのうち何点が書かれているかで並べ直すと、偏りがもっとはっきりする。

書かれている数 軒数 割合
0点 150軒 38%
1点 142軒 36%
2点 64軒 16%
3点 32軒 8%
4点 7軒 1.8%

4つそろっている宿は、395軒のうち7軒しかない。そして4つのうち1つも書かれていない宿が150軒ある。

書いていないのは、紹介文が短いからではない

ここで疑うべきことがある。紹介文そのものが短いから、サウナの中身まで書かれていないだけではないか。

数えてみると、そうではなかった。0点の150軒の本文は中央値およそ410字。4点の7軒は503字。395軒全体の中央値が437字なので、ほとんど差がない。

本文が中央値以上の201軒だけに絞っても、0点は59軒あり、水風呂に触れているのは28%にとどまる。395軒全体の26%とほぼ変わらない。

長く書いてある宿でも、サウナの中身は書かれていない。たとえば長野のasa YATSUGATAKEは584字を使って「サウナ棟までつながる広々としたウッドデッキ」まで書くが、そのサウナが何かは書かない。秋田のCRANDSは691字あって「薪ストーブとプライベートサウナがあります」で終わる。

書かないことを責める話ではない。紹介文は設備の仕様書ではないし、サウナの型式が旅の決め手になる人ばかりでもない。ただ、サウナ目当てで探している人にとっては、395軒のうち388軒で何かが足りない。

木の壁のサウナ室
Photo: Basile Morin / CC BY-SA 4.0 (Wikimedia Commons)

型式が分かる167軒には、はっきりした偏りがある

書いてある側を見ると、ヴィラとグランピングで型が分かれる。

バレルサウナは109軒で、ヴィラ43軒に対してグランピング66軒。テントサウナは52軒のうち42軒がグランピングで、8割がそちらに寄っている。逆に室内サウナやドライサウナは18軒中13軒がヴィラだった。

台所はヴィラに、大浴場はグランピングにで見た線が、ここにも出ている。建物の中に置くなら室内サウナ、外に置くならバレルかテント。グランピングの棟は小さいので、サウナは最初から外に出る。

熱源まで書く宿は33軒しかない。薪が28軒、電気が6軒。ストーブの銘柄まで書くのは11軒で、北海道のSAUNA&VILLA 焚火 takibiが「ハルビア社製の本格フィンランド式薪サウナ(ロウリュ可・収容6名まで)」と書くのが、いちばん細かい部類になる。

同じ「サウナ付き」でも、付き方が違う

数の上では、サウナはヴィラ197軒・グランピング198軒でほぼ同率だ。貸切や専用と明記している宿も、ヴィラ45軒・グランピング45軒で同数だった。

ところが、別の数え方をすると差が出る。サウナが別料金だったり要予約だったりすると書いている宿は18軒。そのうち17軒がグランピングだ。

北海道の奥洞爺倶楽部は「敷地内には独立したサウナ棟があり、薪の爆ぜる音を聞きながら温まったあと、洞爺湖を望む景色の中で外気浴が楽しめます(60分1,500円・水着必須)」と書く。鳥取のGRAN LAKE TOTTORIは「日本初設置というエストニア産サウナキャビンを使った共有サウナ」で、要予約・水着着用。高知のリヴィラスパークUSAは「テントサウナは90分の時間予約制です」。

水着の着用を求める記述は18軒ある。水着が要るということは、そのサウナが自分たちだけのものではない、ということだ。

つまり、ヴィラの「サウナ付き」は棟に付いているサウナを指すことが多く、グランピングの「サウナ付き」は敷地にあるサウナを時間で借りることを指す場合がある。同率の198軒は、同じものを数えた198軒ではない。

水風呂が、海や川そのものである13軒

水風呂に触れている102軒のうち、13軒はその水風呂が自然そのものだと書いている。

福岡の愛犬と貸切サウナヴィラ糸島は「目の前に広がる糸島の海が、そのまま天然の水風呂になります」。千葉のTHE VIBES VILLA 勝浦は「最高110度まで上がり、水風呂は目の前の海そのもの」。奈良のサウナ&グランピング ととのいは「汗を流したあとの水風呂は、近くを流れる自然の川がその役目を果たします」。このスタイルは水風呂は、海と川にあるで書いたとおりだ。

逆側の但し書きもある。岐阜の満天の宿IORIは「各棟には水風呂付きのバレルサウナ(五右衛門風呂・ロウリュ可、水風呂は冬季利用不可)を完備」と書く。水風呂があると書いてあっても、冬には使えないことがある。

水温を下げるチラーに触れている宿は、395軒のうち1軒だけだった。

4つそろっている7軒

参考までに、4つとも書いていた7軒を挙げておく。

鹿児島のSAKURA YAKUSHIMA、三重のSAUNARF 伊勢志摩、大分のSense of wonder 由布岳山麓グランピングリゾート、山梨のアルミンベース、福岡のGlamping & Sauna Resort “Aroma Olive”、岐阜の満天の宿IORI、北海道のSAUNA&VILLA 焚火 takibi。

7軒のうち3軒は名前にサウナが入っている。サウナが主役の宿だけが、サウナの中身を書いている。

この数字について

母数は掲載654軒(公開中、重複を除く)。サウナの395軒は掲載データの設備タグによるもので、ヴィラ197軒とグランピング198軒だ。

型式・ロウリュ・水風呂・外気浴の集計は、設備タグではなく本文の記述を機械的に拾ったものになる。本文は公式情報を根拠に編集部が書いているので、「本文にない」は「公式サイトに書かれていない」と「公式にはあるが紹介文に入らなかった」の両方を含む。本文の長さを見るかぎり前者が主だと思われるが、断定はできない。

そして、書いていない宿に水風呂やロウリュが無いという意味ではまったくない。数えたのは設備の有無ではなく、予約前に読んで分かるかどうかだ。

設備は増える。サウナを足す宿も、水風呂を作る宿もある。予約の前に公式サイトで確認を。

聞くのは、一行でいい

「サウナの構成を教えてください」

型式と熱源。ロウリュができるか。水風呂が何か。外気浴はどこか。この4つが返ってくれば、あとは行くだけになる。

そして、もうひとつ。それは棟に付いているのか、敷地にあるのを借りるのか。別料金か、予約が要るか。グランピングを選ぶなら、こちらのほうが当日に効く。

「サウナ付き」という4文字は、サウナがあることしか言っていない。395軒のうち388軒では、その先を聞かないと分からない。

よくある質問

「サウナ付き」と書いてあれば水風呂もありますか?
とは限りません。泊まり火の掲載654軒のうちサウナのある宿は395軒ですが、そのうち水風呂に触れているのは102軒(26%)でした。書いていないから無いという意味ではありませんが、4軒に3軒は予約前に確かめる必要があります。
セルフロウリュができるかは、どこで分かりますか?
多くの場合、公開情報からは分かりません。ロウリュに触れている宿は395軒中61軒(15%)で、「セルフロウリュ」と明記しているのは30軒(8%)です。電気ストーブにはロウリュに対応しない機種もあるため、記載がなければ問い合わせが確実です。
ヴィラのサウナとグランピングのサウナは違いますか?
数はほぼ同じで、ヴィラ197軒・グランピング198軒です。違うのは付き方で、サウナが別料金や要予約だと書いている18軒のうち17軒がグランピングでした。水着の着用を求める記述も18軒あります。
サウナの型式(バレル・テント・室内)は分かりますか?
395軒のうち167軒(42%)で分かります。内訳はバレルサウナ109軒、テントサウナ52軒、室内やドライサウナが18軒。テントサウナは52軒中42軒がグランピングで、室内サウナは逆にヴィラ寄りでした。
予約の前に何を聞けばよいですか?
「サウナの構成を教えてください」の一言で足ります。型式と熱源、ロウリュの可否、水風呂が何か、外気浴の場所。あわせて別料金や予約制でないかも確かめると、当日の段取りが決まります。

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