ホーム /読みもの /中型犬は、何キロまでか|「ペット可」のあとに書いてあること
中型犬は、何キロまでか|「ペット可」のあとに書いてあること
長野のL-BASEは「小型犬(10kg以下)」と書いている。
神奈川のR.KAMAKURAは「中型犬なら10kg以下を2匹まで」と書いている。
同じ10kgが、片方では小型犬の上限で、もう片方では中型犬の枠だ。つまり「小型犬まで」の宿と「中型犬まで」の宿を並べても、受け入れる体重が同じとは限らない。
うちの子は12kgだ。この問いに答えるには、「ペット可」の次の行を読まないといけない。
探すのは難しくない。揃っていないだけだ
泊まり火の掲載654軒のうち、ペット可は319軒。48%で、ほぼ半分になる。ホテルで犬と泊まれる部屋を探した経験があれば、これはかなり高い数字に見えるはずだ。
内訳はヴィラが321軒中118軒で37%、グランピングが333軒中201軒で60%。台所はヴィラに、大浴場はグランピングにで見た「生活機能を中に置くか外に集約するか」の違いが、そのまま犬の受け入れやすさに出ている。棟が独立していて、床が土間やデッキで、庭がそのまま外につながっている宿のほうが、犬を入れやすい。
難しいのは見つけることではない。見つけた319軒が、同じ言葉で違うことを言っている点にある。
小型と中型の境目は揺れ、大型の天井だけ揃っている
10kgに線を引いている宿は複数ある。L-BASEのほか、沖縄のエイトポイントリゾート沖縄が「小型犬(10kg以下・1頭)」、大阪のパームガーデン舞洲が「小型犬10kg以内・2匹まで」、三重のFREE AND EASY CAMP RESORTは客室内を10kg未満としている。その同じ10kgを、R.KAMAKURAは中型犬と呼ぶ。
いちばんはっきり数字で切っているのは、淡路島のdesigner’s villa EDGEだ。10kg以下なら3匹、25kg以下は2匹、40kg以下は1匹。10・25・40という3本の線が引かれている。
面白いのは、いちばん上の線だけが宿をまたいで一致することだ。群馬のDot Glamping 北軽井沢は「約40kg未満の大型犬に対応する棟」、鹿児島のこしかの温泉グランピングは「40kgまでの大型犬」。大型の天井はおおむね40kgで揃っていて、小型と中型の境目だけが宿ごとに動いている。
だから伝えるべきは犬種でも区分でもない。12kgなら12kgと、数字で言う。それがいちばん早い。
宿が数えているのは、頭数ではなく総量
designer’s villa EDGEの3段階には、もうひとつの意味がある。大きさが上がると、泊まれる頭数が下がる。
同じ構造の宿はいくつもある。福島の響きのサウナグランピングは小型犬3頭・中型犬2頭・大型犬1頭まで。愛知のglampark 海陽閣は小型犬3匹、中型・大型犬は2匹まで(合計3匹まで)。静岡のベイ・コースト・ヴィラ 碁石が浜は小型犬2匹、中型犬1匹まで。熊本のHUMMER VILLAGE 天草は25kg以下なら2匹、小型犬なら3匹。
小型3頭と大型1頭は、宿から見ればだいたい同じ重さになる。頭数を数えているのではなく、部屋に入る犬の総量を管理していると考えると筋が通る。
だから「3頭まで可」という表示は、その3頭が全部大型なら成立しないかもしれない。多頭で行くなら、頭数と体重はセットで伝えることになる。
線を引かない宿もある
その一方で、制限そのものを置かない宿がある。
千葉のMe mo Inu moは1日2組限定のドッグプールヴィラで、犬種の制限はなし、頭数は3頭まで、ペット料金は無料。客室の最大専有面積が340㎡を超えるので、大型でも多頭でも窮屈にならない、という説明のしかたをしている。
滋賀のLAKE villa CHITOSEは頭数にも大きさにも制限がない。2頭目までは無料で、3頭目から1頭3,300円。そのうえで「どの客室でもベッドの上に犬が上がって構いません」と書いている。
和歌山のドッグにグッドなグランピング和歌山北は「ノーリード・ノーゲージ」を掲げて頭数無制限。山梨のドッググランピング河口湖も頭数・体重の制限なし。宮城のHANABUSA DOGlampingにいたっては、小型犬から超大型犬まで同室・添い寝と書く。
10kg1頭までの宿と、超大型犬と添い寝できる宿が、同じ「ペット可」という4文字の下に並んでいる。
0円から15,000円まで
追加料金も揃っていない。
いちばん高いのは北海道のThe Lobs 洞爺湖で、サイズにかかわらず1匹につき1滞在15,000円。さらに到着時にクレジットカードでデポジットを預ける。いちばん軽いのは無料の宿だ。Me mo Inu moはペット料金なし、LAKE villa CHITOSEは2頭目まで無料。
そのあいだに、長野のStella八ヶ岳原村が1頭1,000円、ベイ・コースト・ヴィラ 碁石が浜が1泊1,100円、北海道のVilla美瑛・やさしい窓が2,000円から4,000円、淡路島のVILLA SEDONAが小型・中型3,000円、大型4,000円と並ぶ。有料の宿だけで比べても、下限と上限で15倍だ。
料金は1棟か、1人かで単位を揃える話を書いたが、ペット料金にも同じことが起きる。1泊あたりなのか1滞在あたりなのかで、連泊したときの総額が変わる。
体重を通っても、まだ先がある
島根の松江日和は、条件を全部書いている宿だ。2匹まで、大型犬以下、室内で飼われていること、狂犬病と5種以上の混合ワクチンを接種後2週間以上1年未満であること、生後4か月以上であること。さらに雌犬は発情期や妊娠中でないこと、部屋に犬を残して外出する場合はケージに入れること、まで明記されている。
千葉のPool de Sauna de DogRunは、予約完了後の確認メールに、狂犬病と各種混合ワクチンの接種証明の画像をLINEかメールで返信する運用だ。
ただし、ワクチンに触れている記述はペット可319軒のうち5軒しかない。書いていない宿が多いという意味であって、要らないという意味ではない。証明書を出せる状態にしておくのは、どこへ行くにしても損がない。
浴室までは入れて、サウナは人だけ
体重も頭数も通ったあと、滞在の質を決めるのは「どこまで一緒にいられるか」のほうだ。
ペット可319軒のうち、ドッグランがあるのは173軒で54%。ヴィラ46軒に対してグランピング127軒と、ここでもグランピング側に寄っている。
室内でリードを外せると明記している宿は18軒。神奈川のモリトソラ箱根は全室が同伴可で、部屋の中もノーリード、専用のマットを敷けばベッドで一緒に眠れる。京都のドッグリゾートHAJIMEは室内もドッグラン内もノーリードだ。
そして、入れない場所を書いている宿もある。HAJIMEは「浴室内は愛犬同伴可、浴槽内はご遠慮」。Pool de Sauna de DogRunは「サウナは人だけのもの」で、犬を入れるのは厳禁。glampark 海陽閣は食事処へ愛犬を同伴できない。
3つとも制限の書き方だが、裏返せば浴室までは一緒に入れるという情報でもある。境界を書いてある宿のほうが、行ってから戸惑わずに済む。
犬と行ける場所は、車で行ける場所だった
都道府県別に並べると、はっきりした偏りが出る。
ペット可の割合が高いのは千葉県の73%(41軒中30軒)、次いで群馬県69%、滋賀県68%、栃木県67%、和歌山県67%、広島県67%。低いのは沖縄県の6%で、50軒中3軒しかない。
空路が基本になる沖縄と北海道の66軒では12%。それ以外の592軒では53%。4倍以上の差がつく。
理由を断定できる材料はない。ただ、飛行機だと犬は貨物室に乗る。夏場の輸送を止める航空会社があり、鼻の短い犬種は通年で断られることも多い。上位に並ぶ千葉・群馬・栃木・滋賀・広島は、いずれも大都市から車で行ける距離にある。日本のどこに、貸切の宿はあるかで見た分布と重ねると、犬連れの選択肢は関東近郊と瀬戸内に厚い。
犬と行ける場所は、実際には車で行ける場所とかなり重なっている。宿の側が決めているというより、移動の側が決めている。
なお、犬以外はほとんど書かれていない。猫に触れているのは2軒だけで、秋田のCRANDSが「犬猫を問わず同伴でき」、千葉のグランドーム千葉富津が犬・猫・鳥などと泊まれる「アニマルドーム」を持つ。残り317軒は、事実上ずっと犬の話をしている。
この数字について
母数は掲載654軒(公開中、重複を除く)。ペット可の319軒は掲載データのpetFriendlyフラグによる。
体重や頭数の条件を数えた部分は、本文に書き起こしてある宿だけが対象だ。頭数の数字が出てくるのは24軒、小型・中型・大型の区分に触れているのは39軒、体重をキロ数で書いているのは9軒。料金の金額を書いている宿は7軒で、0円から15,000円という幅もその7軒の中での幅にすぎない。319軒の大半は、そこまで細かく公表していない。「10kgが小型か中型か」の食い違いも、ごく少数の書いてある宿どうしを並べた結果であって、業界の統計ではない。
条件は棟によっても変わる。Villa美瑛は3棟のうち1棟だけ、HUMMER VILLAGEはVilla Cだけがペット可だ。同じ宿名でも、予約する棟を間違えると条件が変わる。
伝えるのは、3つ
ひとつ、体重を数字で言う。「中型犬です」ではなく「12kgです」。区分の呼び名が揃っていない以上、数字がいちばん誤解が少ない。
ふたつ、頭数と大きさをセットで伝える。「3頭まで」の3頭に、うちの子たちの組み合わせが入るかどうかは別の話になる。
みっつ、ワクチンの証明を用意しておく。求める宿は少数派に見えるが、当日に困るのは連れて行く側だ。
「ペット可」は、そこから先を読むための見出しでしかない。次の行に何が書いてあるか。あるいは、何も書かれていないか。
よくある質問
- 貸切ヴィラやグランピングで、ペットと泊まれる宿はどれくらいありますか?
- 泊まり火の掲載654軒のうち319軒(48%)がペット可です。種類別ではヴィラが118軒/321軒(37%)、グランピングが201軒/333軒(60%)で、グランピングのほうが受け入れる割合が高くなります。
- 「中型犬まで」と書いてあれば、うちの12kgの犬は泊まれますか?
- 確認が要ります。同じ10kg以下を「小型犬」と呼ぶ宿と「中型犬」と呼ぶ宿が実在します。淡路島のdesigner's villa EDGEは10kg以下・25kg以下・40kg以下の3段階で頭数を分けており、40kgを大型犬の上限とする宿もあります。犬種や区分ではなく、体重を数字で伝えるのが確実です。
- 何頭まで一緒に泊まれますか?
- 1頭から無制限まで幅があります。多いのは2頭か3頭までで、大きさが上がると頭数が下がる宿が目立ちます。designer's villa EDGEは10kg以下なら3匹、25kg以下は2匹、40kg以下は1匹。一方でLAKE villa CHITOSE(滋賀)やドッググランピング河口湖のように、頭数も体重も制限しない宿もあります。
- ペットの追加料金はいくらぐらいですか?
- 無料から15,000円まで開きます。千葉のMe mo Inu moはペット料金が無料、LAKE villa CHITOSEは2頭目まで無料で3頭目から1頭3,300円。有料の宿では1泊1,000円から1,100円あたりが下限で、北海道のThe Lobs 洞爺湖は1匹1滞在15,000円にクレジットカードのデポジットが加わります。
- ワクチンの証明は必要ですか?
- 求める宿があります。島根の松江日和は狂犬病と5種以上の混合ワクチンを接種後2週間以上1年未満であることを条件にし、千葉の「Pool de Sauna de DogRun」は予約後の確認メールに接種証明の画像を返信する運用です。ワクチンに触れている記述は319軒中5軒と少ないので、書いていない宿でも事前に確認してください。




