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寝室2室を、8人でどう分けるか|予約の前にする部屋割り
定員8名、寝室2室。
この2つの数字のあいだに、ひとつの相談が挟まっている。誰と誰が、同じ部屋で寝るのか。
そしてこの相談は、たいてい予約が終わったあとに始まる。出発の数日前、グループのやりとりの中で「部屋割りどうする?」と誰かが言い出す。そのときには、部屋の数はもう決まっている。
定員が倍になっても、寝室は2室のまま
定員の大きさごとに、寝室が何室あるかを並べてみる。
| 定員 | 軒数 | 寝室数の中央値 |
|---|---|---|
| 4名以下 | 10軒 | 2室 |
| 5〜6名 | 28軒 | 2室 |
| 7〜8名 | 28軒 | 2室 |
| 9〜11名 | 23軒 | 3室 |
| 12名以上 | 20軒 | 3室 |
定員が4名から8名へ倍になっても、寝室数の中央値は2室から動かない。増えはじめるのは、定員が9名を超えてからだ。
人数が増えたぶんは、部屋を増やすのではなく、同じ部屋にベッドを足すか、リビングに布団を敷くかで吸収されている。定員という数字は寝床の数を保証するが、部屋の数は保証しない。
1寝室に、ちょうど3人
割り算をしてみる。泊まり火のヴィラ321軒のうち、寝室数を公式情報で確認できたのは134軒で41%。定員も分かるのが132軒。ここから、本文に複数棟の記述がある23軒を除いた。定員が敷地全体の数字で、寝室数が1棟の数字になっている宿があり、割ると実態から離れるからだ。
残る109軒で「定員 ÷ 寝室数」を出すと、中央値はちょうど1寝室あたり3.0人だった。
3人。ダブルベッド1台では収まらず、シングル2台でも足りない。多くの宿では、1つの部屋に3人か4人が入るという前提で寝具が置かれている。
そして1寝室に4人以上が入る計算になる宿は、109軒中43軒で39%。定員8名以上の69軒に絞ると、23軒(33%)が寝室2室以下だった。
部屋が分かれない宿は、はっきりそう書いている
混み合う側を具体的に見ると、これは設計であって手抜きではないと分かる。
広島・百島のAMERIは、寝室2室、浴室1つ、定員18名。1室あたり9人という計算になるが、18人が2部屋に詰めこまれるという意味ではなく、リビングやほかの空間も含めて18人が泊まれる家、ということだ。
松山のL’art de vie(愛媛)は、客室が間仕切りのない構成で寝室は1室。2段ベッドが2つとロフトがあり、最大9名まで。壁で仕切らないことを最初から選んでいる。
城崎温泉のゆっ蔵(兵庫)は酒屋の蔵を改装した宿で、寝室1室にセミダブル2台と布団4組、大人6名まで。蔵という建物の性格上、部屋を細かく割らない。
千葉のUMInoTERRACE VILLA 千倉は定員12名で寝室2室だが、推奨人数を6名としている。子どもは何人分に数えるのかで見たとおり、推奨人数のほうが部屋の実力を語っていることがある。
部屋数を売りにしている宿もある
反対側、1寝室あたり2人以下のゆとりがある宿は109軒中19軒で17%だった。
いちばんゆとりがあるのは草津の永田屋 昭和館(群馬)で、定員6名に対して和室が4室。1階に1部屋、2階に3部屋という4LDKの間取りで、1室あたり1.5人になる。
阿蘇の森寧 villa-monet(熊本)と那須のKito NASU(栃木)は、どちらも定員8名に寝室4室。兵庫のPrivate Pool & Sauna Villa TANIIKE SOも同じ構成だ。2人ずつ4組に分かれられるので、カップル4組でも、4世帯でも成立する。
いびきは、予約サイトに書いていない
同じ「寝室2室」が、行くメンバーによってまったく違う意味を持つ。
カップル2組なら、2室で足りる。むしろ2室あればそれで完結する。友人6人なら、部屋数より寝床の数のほうが大事かもしれない。同じ部屋で夜通し話すのが目的なら、仕切りは邪魔ですらある。
二世帯なら、家族の数だけ部屋が要る。子どもの就寝時刻に合わせて片方が先に部屋へ入れるかどうかが、旅の快適さを決める。三世代になると、就寝と起床の時刻が世代でずれる。この問題は三世代旅行は、時間を合わせないほうがいいで扱ったとおりで、部屋が分かれていることが、そのまま時間を分けられることになる。
そしていびきという変数がある。これを書いている予約サイトはない。寝室が2室しかない8名の宿で、いびきをかく人が2人いると、部屋割りは急に難しくなる。
寝室と浴室は、一緒に見る
109軒のうち、寝室数と浴室数の両方が分かるのは28軒。この2つを並べると、朝の混み具合まで見えてくる。
神奈川のMOROISOSO 三浦は定員18名、寝室4室、浴室1つ。2階に寝室が4室あり、1階にバスルームが1つとキッチンという間取りだ。部屋は分かれるが、朝の風呂とトイレには順番ができる。
山梨のヴィラ・セゾン・フジは母屋と別棟を合わせて定員24名、寝室6室、浴室3つ。人数は多いが、寝室も浴室も分散している。こちらは複数棟なので上の集計からは外してあるが、部屋数の多い宿は浴室も分かれていることが多い。
定員は増えても、風呂は増えないで見たとおり、浴室は寝室よりさらに増えにくい。寝室4室に浴室1つという構成は珍しくない。部屋割りを考えるときは、朝の動線も一緒に想像しておくといい。
この数字について
母数はヴィラ321軒。そのうち寝室数を確認できたのは134軒(41%)で、残る6割は公表していない。書いていないから部屋が少ないという意味ではまったくなく、間取りを公開しない宿が多いというだけだ。グランピングは掲載データの取得の仕組みが違って寝室数が0件なので、この記事はヴィラだけの話になる。
集計から複数棟の記述がある23軒を除いたのは、定員が敷地全体、寝室数が1棟という組み合わせが混ざると割り算が成立しないからだ。除外は「2棟」以上の棟数を数えた記述と、「別棟」「別館」「母屋」「離れ家」という語を手がかりにした。「一棟貸し」は1棟を指すので除外していない。除く前の132軒で計算すると中央値は3.33人になり、除外によって少し下がっている。
寝室の数は分かっても、各部屋に何人分の寝具があるかまでは多くの宿が公表していない。そこは問い合わせるしかない。
確かめるのは、2つ
ひとつ、何室に分かれるか。定員の隣に部屋数が書いていなければ聞く。「寝室はいくつで、それぞれ何人分の寝具ですか」と尋ねれば、たいてい一往復で返ってくる。
ふたつ、その部屋割りを、予約の前にメンバーに共有する。8人で寝室2室と分かっていれば、行く前に納得ができる。着いてから知ると、その場で決めるしかなくなる。
部屋の数は、宿を決めた瞬間に決まってしまう。けれど部屋割りは、そのもっと前に決められる。
よくある質問
- 貸切ヴィラの寝室は、定員に対して何室ありますか?
- 泊まり火のヴィラで定員と寝室数の両方が分かり、複数棟の記述がない109軒を数えると、1寝室あたりの中央値はちょうど3.0人でした。定員4名以下でも、5〜6名でも、7〜8名でも、寝室数の中央値は2室で変わりません。増えはじめるのは定員9名を超えてからです。
- 定員8名なら、4人ずつ2部屋に分かれられますか?
- 宿によります。定員8名以上で寝室数が分かる69軒のうち23軒(33%)は寝室が2室以下でした。1寝室に4人以上が入る計算になる宿は109軒中43軒(39%)あります。人数分の寝床はあっても、部屋が人数分に割れるとは限りません。
- 二世帯や三世代で行くなら、寝室はいくつ必要ですか?
- 家族ごとに部屋を分けるなら世帯の数だけ必要です。1寝室あたり2人以下のゆとりがある宿は109軒中19軒(17%)。草津の「永田屋 昭和館」は定員6名に和室4室、阿蘇の「villa-monet」と那須の「Kito NASU」はいずれも定員8名に寝室4室です。
- 寝室が1室しかない宿もありますか?
- あります。松山の「L'art de vie」は間仕切りのない構成で寝室は1室、2段ベッド2つとロフトで最大9名。城崎温泉の「ゆっ蔵」は寝室1室にセミダブル2台と布団4組で大人6名まで。気心の知れた相手なら成立しますが、寝る時間の違う相手とは向きません。
- 寝室数はどこで確認できますか?
- 公式サイトの間取り欄です。ただし泊まり火のヴィラ321軒のうち寝室数を公式情報で確認できたのは134軒(41%)で、6割は公表していません。書いていない場合は問い合わせが要ります。定員だけでなく「何室に分かれるか」を聞くと確実です。




