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子どもは何人分に数えるのか|宿ごとに違う定員の中身
「定員6名」と書いてある宿が2軒ある。
片方では、6名が大人の上限だ。もう片方では、大人6名にさらに未就学児を4名まで足せる。奄美のDei Amami(鹿児島)がその後者で、数字の上では定員6名だが、実際には10人が泊まれる。
同じ表示が、4人分違う。3歳の子は6人のうちの1人なのか。10歳の子はどうか。抱いて寝る赤ん坊は、そもそも数に入るのか。その答えは「定員6名」という4文字の中にない。
書いている宿は、24軒しかない
泊まり火の掲載654軒のうち、定員を公表しているのは611軒。そのうち子どもをどう数えるかに触れているのは24軒で、3.6%だった。
残る590軒では、「定員6名」の6が誰を数えた6なのか分からない。書いていないから子ども連れで泊まれない、という意味ではまったくない。ただ、家族で行くときにいちばん先に確定させたい数字が、たいていは書かれていない。
そして、書いている24軒を並べてみると、方針がきれいに割れていた。
境目は、2歳から中学生まで散らばっている
「ここから大人1人と数える」という線が、宿ごとに違うところに引かれている。
いちばん低いところで2歳。伊豆下田の一棟貸別荘「碧ai」(静岡)は、2歳以下は添い寝で無料だ。3歳に引いているのがしまなみのしまなみVILLA蒼(愛媛)で、大人1名につき3歳未満の幼児1名まで、定員を超える場合はメールで相談になる。ガーデンvilla南阿蘇(熊本)は6歳未満で添い寝の子どもが半額。
就学で切る宿もある。GIFTHOUSE 三浦 諸磯(神奈川)は定員1名から6名で、そこに未就学児は含まない。たびの邸宅 BREATHTAKE松島(宮城)は添い寝の未就学児を1棟あたり2名まで受ける。プライベートプールヴィラ古宇利 The Sweet(沖縄)の最大8名は、「小学生以上」で8名という意味だ。
そこから先はもっと高い。青森の桜楽 Moana 深浦は公式サイトからの予約だと7歳以上が大人と同じ料金になる。葉山と逗子のSAJIMA Funny house、ZUSHI Funny house、&SUN Penthouse(いずれも神奈川)は、10歳以上を大人1名として数える。淡路島のVILLA SEDONA 淡路島(兵庫)は追加料金が中学生以上の大人1名6,600円、小学生の子ども5,500円と分かれている。
2歳から中学生まで、10年以上の幅がある。どこかに業界の標準があるわけではない。
定員を食う子どもと、定員の外の子ども
数え方は、突きつめると2つの型に分かれる。ここが実務上いちばん効く。
ひとつは、子どもが定員を食う型。10歳以上を大人1名として数える宿では、子どもが枠を消費する。SAJIMA Funny houseは定員4名なので、大人2人と10歳以上の子ども2人で満席になる。下の子がもう1人いると入らない。
もうひとつが、定員の外に足せる型だ。冒頭のDei Amamiは各棟の定員が大人6名までで、そこに未就学児を4名まで加えられる。淡路島のヴィランス淡路島(兵庫)も同じ型で、大人12名、子どもを含めると最大15名(小学生以下は無料)。周防大島のせとうちアイランドステイズ(山口)は定員2名から4名だが、小さな子ども連れなら6名まで受ける。
そして、内訳を最初から書いている宿がある。宮古島のVilla Conte(沖縄)は「定員は大人4名と幼児3名の計7名」と明示している。この書き方がいちばん誤解が少ない。
一覧で数字だけを見比べても、この差は出てこない。
定員のとなりにある、もうひとつの人数
数え方とは別に、推奨人数という数字を出している宿がある。泊まれる上限とは別に、無理なく過ごせる人数を書いておく、という考え方だ。
公表しているのは12軒。その12軒で「推奨人数 ÷ 定員」を出すと、中央値は0.57だった。推奨人数は、定員の6割弱にあたる。
いちばん開きが大きいのはCOCO VILLA ニセコ(北海道)で、定員9名に対して推奨4名。COCO VILLA 軽井沢(長野)は定員12名で推奨6名、COCO VILLA 大洗(茨城)は定員10名で推奨5名と、いずれもちょうど半分になる。
ただし、この12軒のうち10軒が同じブランド(COCO VILLA)で、推奨人数を書くのはこの運営の方針だ。「業界の平均は定員の57%」とは言えない。言えるのは、推奨人数を書く宿は定員の6割前後を目安として提示している、ということだけになる。残る2軒も同じ方向を向いていて、CODE ROOMS ITOSHIMA(福岡)は定員8名で推奨が大人5名と子ども3名、たびの邸宅 BREATHTAKE松島(宮城)は最大8名で推奨6名だ。
推奨人数は、料金の境目でもある
千倉のUMInoTERRACE VILLA 千倉(千葉)を見ると、この数字の意味がもう一段はっきりする。定員12名、推奨6名、そして1名追加ごとに15,000円、トップシーズンは25,000円。
推奨人数は、居住性の目安であると同時に、基本料金に含まれる人数でもある。ここを超えると1人あたりの単価が跳ね上がる。
追加料金には幅がある。パインズコテージ八ヶ岳(山梨)は1名6,600円から9,900円、kotorine 那須(栃木)は8,000円から10,000円に加えて清掃料25,000円、山荘イーグル(秋田)は大人5,000円から7,000円で子どもは3,000円から3,500円。北海道のFARM VILLA takuは4名以下なら人数で料金が変わらず、5名目からエキストラベッド1台1泊5,000円(税込)が乗る。
「1棟いくら」と書いてある宿でも、何人までが1棟の値段に含まれるかは別の話になっている。
上限のほうも、ベッドが足りているとは限らない
定員の上のほうにも但し書きがある。エキストラベッドで届いている定員だ。
THE BOXY AWAJI(兵庫)は定員8名だが、7名から8名で使う場合はエキストラベッドになる。CELESTE SANTO セレスト山東(兵庫)は定員10名で、9名以上の分がエキストラベッド。UMIBE 伊勢志摩(三重)は定員14名がエキストラベッド込みの数字だ。
これは悪いことではない。ただ、定員いっぱいで予約するということは、誰かが簡易ベッドで寝るということを意味する場合がある。誰がそこで寝るのかは、行く前に決めておいたほうがいい。定員は増えても、風呂は増えないや駐車台数から読む大人数の宿で見たのと同じで、定員という一つの数字は、その宿の実力を語りきらない。
年齢は、泊まれるかどうかも決めている
数え方の話から少し外れるが、年齢そのものを条件にしている宿もある。
淡路島のawaJ Beach Club(兵庫)は13歳以上限定で、宿泊棟が傾斜地に建っているため、という理由が書かれている。山梨のくうねるたすは20歳未満が施設貸切以外では利用できない、大人向けの施設だ。宮古島のTHE PANALI(沖縄)は、予約者が宿泊日に18歳未満だと申し込めない。
子ども連れで探しているなら、数え方の前に、そもそも泊まれるかどうかを見ておく必要がある宿が、少ないながらある。
この数字について
母数は泊まり火の掲載654軒(公開中、重複を除く)。定員を公表しているのは611軒。子どもの数え方に触れている24軒と、推奨人数を書いている12軒は、公式情報にその記載がある宿を数えたもので、書いていない宿がそうでないという意味ではない。むしろ、書いている宿は「うちは普通と違うかもしれない」と伝えたい宿だと読むほうが正確だ。
推奨人数の12軒は10軒が同一ブランドなので、業界の傾向としては読めない。あくまで「推奨人数を書く宿の書き方」として見てほしい。料金と条件は変わるので、予約の前に公式サイトで必ず確認を。
確かめるのは、3つ
ひとつ、その定員は何歳から1人と数えるか。書いていなければ聞く。「うちの下の子は3歳ですが、人数に入りますか」と尋ねれば、たいていは一往復で答えが返ってくる。
ふたつ、子どもは定員の中か、外か。中なら大人の枠が減り、外なら家族全員で入れる。同じ定員でも結論が変わる。
みっつ、基本料金には何人まで含まれるか。推奨人数がある宿では、そこが料金の境目になっていることがある。
人数は、当日になって変えられない唯一の条件だ。部屋の広さも、風呂の数も、着いてから工夫できる余地がある。人数だけは、予約の時点で決まってしまう。
よくある質問
- 貸切の宿で、子どもは定員に数えられますか?
- 宿によって違います。泊まり火の掲載654軒のうち子どもの扱いに触れているのは24軒(3.6%)で、その24軒だけでも「10歳以上は大人1名として数える」「未就学児は定員に含めない」「大人6名に未就学児4名まで加えられる」と方針が分かれていました。残る大半の宿は書いていないので、予約前の確認が要ります。
- 何歳から大人1名として数えられますか?
- 境目は2歳から中学生まで散らばっています。実例では2歳以下は添い寝で無料、3歳未満は大人1名につき1名まで、6歳未満で添い寝は半額、7歳以上は大人と同じ料金、10歳以上は大人1名として数える、中学生以上は大人の追加料金、と宿ごとに異なりました。
- 定員4名の宿に、大人2人と子ども3人で泊まれますか?
- 宿次第です。定員の外に子どもを足せる宿なら泊まれます。奄美の「Dei Amami」は各棟の定員が大人6名までで、そこに未就学児を4名まで加えられます。逆に「10歳以上の子どもは大人1名として数える」宿では、子どもが定員を消費するので入りません。
- 定員のほかに「推奨人数」という数字があるのはなぜですか?
- 定員は泊まれる上限で、推奨人数は無理なく過ごせる人数だからです。泊まり火で両方を公表しているのは12軒で、推奨人数は定員の57%(中央値)でした。ニセコの1軒は定員9名に対して推奨4名です。ただしこの12軒のうち10軒が同じブランドなので、業界全体の傾向とは言えません。
- 定員を超えて追加する場合、いくらかかりますか?
- 1名あたり6,600円から25,000円まで幅がありました。千倉の「UMInoTERRACE VILLA」は推奨6名で1名追加ごとに15,000円、トップシーズンは25,000円。北海道の「FARM VILLA taku」は5名目からエキストラベッド1台1泊5,000円(税込)です。人数は当日には変えられないので、予約時に確定させてください。




