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ワイナリーの隣に泊まる|ぶどう畑と過ごす夜
ワイナリー巡りには、構造的な弱点がある。テイスティングの主役が、たいてい運転手になれないことだ。せっかく産地まで来たのに、ハンドルを握る誰かはグラスに口をつけられない。この問題の最も美しい解決策が、「産地に泊まる」である。
泊まってしまえば、ワインの時間は夜まで延長される。夕方に買ってきた一本を、ぶどう畑の見える場所で開ける。産地の空気の中で飲むワインは、同じボトルでも都会のレストランとは別の味がする。土地の風と温度が、味の一部になるからだ。
日本ワインは今、産地ごとの個性がはっきりしてきた面白い時期にある。甲州の白、長野のメルロー、北海道の冷涼系。産地に泊まる旅は、その違いを「土地ごと」味わう旅でもある。買い出しのコツはひとつ、昼のうちに夜の一本を決めておくこと。夕方のワイナリーは閉まるのが早い。
ぶどう畑の中に泊まる: EAST WINDS VILLAGE(イーストウィンズビレッジ)中伊豆

富士山と10haのぶどう畑を望む、中伊豆のワイナリーグランピング。ワイナリーが手がける宿だから、畑と醸造と食卓の距離が最短だ。目覚めて窓の外がぶどう畑という朝は、ワイン好きにとってちょっとした夢の光景だろう。
甲州ワインビーフとサウナ: ARMIN BASE(アーミンベース)南アルプス

山梨県南アルプス市、川辺に立つ全4棟のプライベートサウナグランピング。全室にサウナと水風呂を備え、薪ストーブや電気ストーブなどタイプ違いのサウナ、茶葉のロウリュ、甲州ワインビーフのBBQを楽しめる。ワイン県・山梨の旅の拠点として、サウナでととのえてから夜の一本を開ける流れが組める。
ワイナリーが作ったドーム: 十勝ワッカの森

北海道・十勝、相澤ワイナリーがプロデュースするグランピング。極寒冷地仕様の全天候型ドームで通年滞在でき、プライベートサウナやドッグランも備える。冷涼な北の大地はいま日本ワインの最前線のひとつ。作り手が設えた宿で飲む土地のワインは、産地泊の醍醐味そのものだ。
酔いも、旅程のうち
産地に泊まる旅は、飲む人に運転の心配をさせない。それだけで、テイスティングの一杯目から表情が変わる。秋の収穫期はワイナリーがいちばん活気づく季節。ぶどうが色づく前の今から、産地の宿を押さえておくのはどうだろう。