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定員6名で、ベッドは2名分|残りの4人が寝るところ

· 泊まり火編集部

玄関を開けて、荷物を置いて、それから寝室を見に行く。

ベッドが2つある。来たのは6人だ。

熊本のHUMMER VILLAGE 天草は定員6名の宿で、寝具の記述はこうなっている。

ベッドはダブル1台またはシングル2台で、備え付けの折りたたみマットレス4台を使うと最大6名まで。

定員6名という数字は、それで正しい。ただし6人が同じもので寝るとは、どこにも書いていない。

木の壁の寝室に整えられたベッド
Photo: Shixart1985 / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

同じ定員5名に、ベッド2台の棟と4台の棟がある

この構造がそのまま出ている一文が、埼玉の秩父定峰清流キャンプ場にある。

セミダブルベッド2台の【2ベッド】と、シングルベッド4台の【4ベッド】の2タイプがあり、いずれも定員5名です。

同じ宿の、同じ定員5名。片方はベッドが2台で、もう片方は4台ある。

5人で泊まるとして、この2つはかなり違う夜になる。片方では3人がベッド以外の場所で寝て、もう片方では1人で済む。定員という数字は、その差をひとつも表していない。

寝具の中身を書く宿は、6軒に1軒

泊まり火に載っている654軒のうち、寝具の台数まで書いているのは106軒。ヴィラ66軒とグランピング40軒で、全体の16%にあたる。寝室の数までなら134軒が出しているから(寝室2室を、8人でどう分けるか)、部屋の数より、その中身のほうが伏せられていることになる。

そして書いている106軒のうち、49軒がベッド以外の寝具に触れている。内訳は布団が35軒、ロフトが23軒、ソファベッドが16軒、2段ベッドとエキストラベッドがそれぞれ6軒。和室や畳という語まで含めると57軒になる。

寝具の内訳を出した宿の、ほぼ半分がそうなっている。

何人目から補助寝具になるか、を書いた8軒

境目をはっきり書いている宿が、654軒のなかに8軒あった。

兵庫のTHE BOXY AWAJI(定員8)は「7名から8名で使う場合はエキストラベッドの利用になります」。同じ兵庫のCELESTE SANTO 山東(定員10)は「9名以上の分はエキストラベッドでの宿泊になります」。三重のUMIBE 伊勢志摩(定員14)は寝室5室にシングル8台とダブル2台を置いたうえで、「エキストラベッドを使って最大14名まで」と続ける。ベッドで寝られるのは10人まで、11人目からは別のもの、と読める。

神奈川のR.KAMAKURA(定員6)は「リビングのソファベッドを使うと最大6名になります」。宮崎のCORAL RESORT aoshima(定員6)はダブル2台に「ソファベッドを加えて最大6名まで」。北海道のFARM VILLA taku(定員8)は「エキストラベッドとしてシングルのソファベッドを使えば、最大8名まで」。宮崎のMIYAZAKI BASE in aoshima(定員10)は「レンタル布団を使って最大10名まで」。そして冒頭のHUMMER VILLAGE 天草が、折りたたみマットレス4台。

8軒とも、読めば分かる。分かるからこそ、残りの650軒で起きていることも見当がつく。線はどこかに引かれていて、ただ書かれていない。

FARM VILLA takuには、もうひとつ書いてある。「5名以上になるとエキストラベッド1台1泊につき5,000円(税込)が加算されます」。セミダブル4台で定員8名の宿だ。4人までが表示の料金で、5人目から1泊5,000円が乗る。料金は1棟か、1人かで見た追加費用が、ここでは寝具の形をして出てくる。

山小屋のリビングに置かれたソファ
Photo: Shixart1985 / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

ベッド4台の宿が、定員4名にも8名にもなる

沖縄のEspacio 恩納は、ベッドルーム2部屋にシングル2台とセミダブル2台。合わせて4台で、定員は8名。ほかの寝具の記述はないので、1台に2人という計算になる。

京都のVilla Nigin 天橋立は、ダブル2台とセミダブル2台で定員4名。こちらは1台に1人だ。

同じ4台で、意味が正反対になる。

1台1人の側にはほかにも、千葉の千倉Dog Villaがセミダブル4台で定員4名、鹿児島のVilla montpetreがセミダブル6台で2名から6名、兵庫のPOOL HOUSE 淡路島が3室にセミダブル2台ずつで定員6名。予約ページの定員欄だけを見ていると、この差は最後まで見えない。

セミダブルに大人2人は、1人60cm

セミダブルは、日本では幅120cm前後が通り相場だ。シングルが97cmから100cm前後、ダブルが140cm前後、クイーンが160cm、キングが180cm以上。

120cmを2人で割ると、1人あたり60cm。シングルベッド1台の幅の、6割ほどしかない。仰向けになって腕を体の横に置くと、それでだいたい埋まる幅だ。カップルや小さな子どもを含む家族なら成り立つ。友人同士や、大人になった兄弟では、たいてい成り立たない。

やっかいなのは、この語がよく出てくることだ。記述に登場する軒数を数えると、ダブルベッドが53軒、シングルベッドが38軒、セミダブルとツインが34軒ずつ、キングが27軒、クイーンが17軒。セミダブルは3番目に多い。

実寸まで書く宿はほとんどない。沖縄のVilla VALIOSA ON THE BEACHが「Sealy社の幅2000mmのキングサイズベッドが1台」と書いているのが例外的なほうで、大半は「セミダブル2台」で止まる。その2台がどれだけの幅なのかは、行ってみるまで分からない。

布団は、足りないから敷くのではない

補助寝具のなかで、布団だけは少し性格が違う。

兵庫の城崎温泉 ゆっ蔵(定員6)は、寝室1室にセミダブル2台と布団4組。酒屋の蔵を改装した建物で、ここにベッドを並べるより、布団を敷くほうが建物に合う。

沖縄のプライベートプールヴィラ古宇利 The Sweet(定員8)は、和室1室に和布団4組、洋室2室にセミダブル計4台。ちょうど半々だが、ベッドが足りないから布団にしたのではなく、和室があるからそうなっている。

静岡のAMAO VILLA 伊豆高原(定員12)はクイーン1台、ダブル1台、シングル3台に布団5組。同じ運営のAMAO VILLA 城ヶ崎(定員11)はクイーン1台、セミダブル2台、シングル3台に布団4組。どちらもベッドと布団がほぼ半分ずつで、最初からその設計だ。

兵庫のドギーズヴィラ釜口は「セミダブルベッド2台、ロフトにシングルの布団2組、シングルのエキストラベッドが1台」。3種類の寝具が1棟に入っている。愛媛のL’art de vie 松山は2段ベッド2つとロフトで最大9名。ベッドを並べる設計ではない、と言ったほうが早い。

畳の上に並べて敷かれた布団
Photo: Mx. Granger / CC0 (Wikimedia Commons)

揉めるのは寝具ではなく、割り当てだ

ここまで、寝具の種類に上下をつけていない。つける必要がないからだ。困るのは種類ではなく、誰にどれが当たるかが、着いてから決まることのほうにある。

ソファベッドは、1泊なら何ともなくても、2泊目の朝に腰へ来ることがある。ロフトは、夜中にトイレへ行くのにはしごか急な階段を降りることになる。布団は、寝るときと起きるときに床との上下運動が要る。どれも大した話ではない。誰に当たるかによっては、大した話になる。

先に分かっていれば、三世代旅行で祖父母をベッドに、子どもを布団に、という配分は自然に決まる。何も知らずに着くと、荷物を置いた寝室で数秒の沈黙が生まれて、誰かが「じゃあ私がソファで」と言う。その一言で決まった配置は、たいてい最終日まで変わらない。

子どもは何人分に数えるのかで見たように、定員という数字は「何人まで入れるか」に答えている。「誰がどこで寝るか」には、はじめから答えていない。

この数字について

母数は掲載654軒(公開中、重複を除く)。寝具の台数を書いているのは106軒で、残る552軒は公表していない。書いていない宿のベッドが足りないという話ではまったくなく、内訳を出す慣習がないというだけだ。

集計は本文に「◯台」「◯組」とある宿を機械的に拾ったもので、在庫表ではない。棟やタイプが複数ある宿では、そのうち1つの記述しか載っていないことがある。ベッド幅として挙げた数字は日本で一般に使われている規格の目安で、宿ごとの実寸ではない。「◯名以上はエキストラベッド」と読める8軒も、そう運用している宿の数ではなく、そう書いている宿の数だ。書かずに同じ運用をしている宿のほうが、おそらく多い。

聞くのは、一行でいい

「寝具の内訳を教えてください」

ベッドが何台で何サイズか。ソファベッドやエキストラベッド、布団が何組含まれるのか。ロフトに上がる人がいるのか。返事が来た時点で、部屋割りと同じように、出発前に決めて共有できる。

定員は、宿が受け入れられる人数の上限だ。そのうち何人がベッドで寝るかは、別の数字として書いてある。あるいは、書いていない。

よくある質問

定員の人数分だけベッドがありますか?
とは限りません。泊まり火で寝具の台数を書いている106軒のうち、46%がソファベッドやエキストラベッド、布団、ロフトなどベッド以外の寝具に触れています。熊本のHUMMER VILLAGE天草は定員6名ですが、ベッドはダブル1台またはシングル2台で、残りは備え付けの折りたたみマットレス4台です。
どの宿が「補助寝具で定員に届く」と書いていますか?
はっきり書いている宿は8軒ありました。兵庫のTHE BOXY AWAJIは「7名から8名で使う場合はエキストラベッドの利用になります」、兵庫のCELESTE SANTOは「9名以上の分はエキストラベッドでの宿泊になります」、三重のUMIBE伊勢志摩はベッド10台に加えて「エキストラベッドを使って最大14名まで」と明記しています。
ベッドの台数と定員は比例しますか?
しません。埼玉の秩父定峰清流キャンプ場には、セミダブルベッド2台の棟とシングルベッド4台の棟があり、いずれも定員5名です。千葉の千倉Dog Villaは定員4名に対してセミダブルベッド4台で1台1人、北海道のFARM VILLA takuはセミダブル4台で定員8名なので1台2人という計算になります。
セミダブルベッドに大人2人で寝られますか?
狭くなります。セミダブルは一般に幅120cm前後で、シングル2台を並べるより狭い計算です。1人あたり60cm前後になるため、気心の知れた相手でなければ勧めにくい広さです。幅を数字で公開している宿は少なく、沖縄のVilla VALIOSA ON THE BEACHが「幅2000mmのキングサイズベッド」と書いているのが珍しい例です。
予約の前に何を聞けばよいですか?
「寝具の内訳を教えてください」の一言です。ベッドが何台で何サイズか、ソファベッドやエキストラベッド、布団が何組含まれるか。これが分かると、誰がどこで寝るかを出発前に決められます。

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